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2005年07月14日

web業界とゲーム業界の出会い

人間は、物が重力によって下に落ちるとか、丸いものはころがるとか、
沸騰してる液体は触ると熱いとか、細い糸はもつれるとか、
薄いものは破れやすいとか、重心の高いものは倒れやすいとか、
冷たいものはぬるくなるとか、息をしないと苦しいとか、
つぶつぶは拾えるとか、炎は上に燃え広がるとか、
だるまはなかなか倒れないとか、
積み木は揺れると崩れるとか、氷の上はすべるとか、
水に濡れると冷たいとか、遠くの音は遅れて小さく聞こえるとか、
腕はある角度以上曲がらないとか、固いものは落ちたら壊れるとか、
ドミノ倒しの原理とか、空洞のものは水に浮くとか、
尖ったものに触ると痛いとか、ねじったものは戻るとか、
細いものを立てると倒れるとか、重いものはなかなか止まらないとか、

そういった物理現象に対する基本的な感覚を、誰に教わるともなく、
幼少のころまでに完璧に学ぶ。さらに、視覚的な情報だけしかなくても、
このような物理現象が起きることを予想し、
それに非常に速く反応することができる。

現在のwebアプリケーションのインターフェイスは、
こういった物理現象に鋭敏に反応できる人間の能力を
うまく活用するまでに至っていない。
webブラウザのFlashやjavascript等の処理系の速度が
今も向上し続けているが、その先に確実にひとつあるのは、
人間の、物理現象に対する原始的な感覚を利用した、
なめらかで学習効果が高く、操作して楽しい入力手段である。
もちろん、単なる演出として動くものではなく、
入力手段として、人間が使うものである。

ゲームの開発では、プログラマはずっと、
上記のような物理現象を人間に操作させるためのプログラムを、
仕事の相手にしてきた。ゲームプログラミングの基本は、物理現象を
さまざまに抽象化して操作可能にすることだ。
web開発において、処理速度があと10倍から30倍ぐらい速くなったら、
物理現象の動きを応用したさまざまなインターフェイスや処理の方法が登場し、
それを作る現場ではゲーム業界のエンジニアが大活躍することだろう。
あと数年で、ゲーム業界とweb業界は自然に素敵な出会いをすることになる。
やっと、ゲーム開発のスキルを、web開発でも思う存分に
発揮できる状態になるのだ。今からそれが楽しみだ。

Posted by ringo : 01:13 | TrackBack

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