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2006年10月03日

ソクラテス・スコア

ソクラテスの「3重フィルター試験」というものを知った。
Three Filter Test

これをまとめると以下のようなことだ。

ある日、ソクラテスの知人が、ソクラテスの友人について、
「あなたの友人についての話しを聞いたのだが・・・」と話し始めた。
ソクラテスは一瞬止まって、
「その話しについて、今から3つのテストをしたい。」と言った。
ソクラテスは、その知人に対して、以下の3つのテストを課した。

「一つめのテスト。その話しは、真実か?」
「二つめのテスト。その話しは、良いことか?」
「三つ目のテスト。その話しは、役に立つか?」

知人はこれのどれひとつとして明確にYesと答えることができなかった。
ソクラテスは言った。
「では、なぜ、それを私に言うのか?」

ーー
ソクラテスの3つのフィルタは、ある分野において、
プロフェッショナルとして仕事をしている人が何かを言う場合には、かならず合格すべきテストだ。

プロとして発言する場合は、可能な限り、テストの3つとも合格する言葉「のみ」発言すべきだ。
しかしどうやってそこに近づいていったら良いだろうか。

ソクラテス・スコアというものを定義してみよう。

それぞれのテストに明確にYesだったら +1、明確にNoだったら -1, 不明だったら0とする。
最高スコアは3で、最低スコアは-3である。合計7種類の値をとり得る。

私に聞こえてくるすべての言葉がスコア3であることを願いたいが、
実際には、なかなかそうはいかない。しかし、プロとして仕事をしている仕事場では、
低スコアの発言を聞いたら、厳しく、「なぜそれを言ったのか?」と問うていくようにしようと思う。
余裕があれば、3以外のことすべてにつっこみを入れていきたい。
自分の言葉には責任を持たなければならないのだ。

ところで、最も異論を集めるのは、2つめのフィルタ「良いこと」についてだろう。
「悪いことを言わないと批判できないのではないか? 批判は必要だ。」
というつっこみが入ることは容易に想像できる。

批判する目的は、将来の行動を改善させることにあるはずだ。
将来の行動を改善させるために、悪いことを言う必要があるか?
想像力を働かせて、よく考えると、ちがう言い方が見つかるはずだ。
たとえばこんな風だ。
「彼が作るプログラムは、質が悪い。」
という発言の場合。(真実,良い,役立つ) = (0,-1,0)で合計-1だ。
これを「彼が作るプログラムには、こういう問題がある。」に修正したら、
(真実,良い,役立つ) = (1,0,0)となって1に向上する。
これをさらに「彼が作るプログラムには、こういう問題がある。彼のXを直せば改善できる。」に修正すると、
(真実,良い,役立つ) = (1,0,1)となって2に向上する。
ここまできたら、発言の内容としては相当レベルが高い。

かならず3でないといけない、というのではなくて、
できるだけ3に近づけるように努力するのだ。
そして、スコアの低い発言を聞いたら「いまのソクラテススコアは何ポイント?」
と一言言えば、発言のクオリティについて、簡単に指摘することができる。

ところで、SNSやブログの炎上を減らすための、ソクラテススコアを利用した
何らかの改善システムがあり得るのではないだろうか。
slashdot等では「余計なもの」「フレームのもと」など、
いくつかのメタデータを発言に対して付けることができるが、
これらはある程度主観的に決まる属性で、なかなか判断がむずかしい。
しかし、(真実,良い,役立つ)という観点であれば、
もっと多くの人が評価に参加できるのではないか?

Posted by ringo : 2006年10月03日 09:07

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