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2007年05月15日

計算不可能性を設計する

計算不可能性を設計する

神成さんから、本を頂いたので、隅々まで読んだ。
対談を本にしたら、主題があいまいになることが多いと思うが、
本書の場合には、そんなことはなく、極めて明快に一つのことについての
結論を出す内容になっていた。非常に良い内容である。
ひとつ難点があるとすれば、発言の要約がかなり多く、
生の発言がもつ、本来の魅力が薄れていることだ。
これはメッセージを際だたせるためには必要だったのかもしれないが。


この本で神成さんが言っていることは、
「これからは計算機ネットワークを使って社会全体を構築していく事になるが、
そのときに重要なのは、ノイズの多い、予測不能だがしかしランダムではない
カオティックな動きをするシステムを意図的に作り込み、かつそのシステムが、
正の価値を産み出すように設計をする事だ。
それは難しいことなので、現場に出て、現実を徹底的に観察しなければならない。」
ということである。

計算機を使って人間の力を増幅すると、多くの人が不要になってしまうのではないか?
というネガティブな意見に対して、神成さんは、増幅すると不要になるのではなく、 
増幅して、しかも人間がますます必要になるようなシステムを考えろ、と言う。
この考えが「計算不可能性を設計する」ということそのものだ。
「計算機が人間を置き換える」は短絡的かつ消極的過ぎるのだ。
この考えには強く共感できる。
彼の要求レベルは非常に高いが、しかしその方面にしか道はない。

クヌース氏は、「人工知能は、人間が考えて出来るようなことはできるが、
人間が考えずにやっていることはできない。」と言っているが、
神成さんは、人間が考えずにやっていることを探し出すために、現場に出ろと言うのである。
農業や行政などの古くて重要な産業には、そういった事が大量に眠っているから、
彼はそういうフィールドを選んでいるのだ。
スペシャリストであること、ジェネラリストであること、現場に出ること、
全部を両立するのは大変な事だが、その努力をしなければならない。


コミュニティーエンジンという企業は、神成さんのミッションにそのまま
乗っかっているような企業である。
それは実際に会社のプロフィールに掲載している文言が、
「人間の遊び心と創造性を、
引き出し、組み合わせ、増幅する術を開発すること。」

になっている事からも明らかである。しかし、
それを具体化していく能力についてはまだまだ弱いから、
神成さんのような人の行動パターンから、多くを学んでいく必要がある。


神成さんには怒られるかもしれないが、今日からは弟子ですと自称したい。
いや、今度お願いをしよう。


あと、いくつか面白かった発言があった。
* 「Googleが、あれだけの組織で全員が20%を使っている割には、大したイノベーションを起こしていない」
→外から買ってきたものが多いことを考えると、確かにそうなのかもしれない。これは、意外に深い問題かもしれないな。
* 「オープンソースプロジェクトは、「いま」に拘泥し過ぎている。デモクラティックであればすばらしいという幻想が流布している。」
→基本的には片手間なので何かのマネか、ちょっとした努力でできるものが中心だから仕方がないかも。お金を集める仕組みがないと未来への投資はむずかしい。

Posted by ringo : 2007年05月15日 11:08

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コメント

こんにちは
コメントありがとうございます。

出版は、考え方次第では、面白い状況なのかな、
とおもっていました。 どうしようもない、とは・・?

新しいことに挑戦するとのこと、楽しみです。

投稿者 ringo : 2007年05月18日 20:08

ありがとうごいます。本書の編集担当です。ご存知の通り、出版はどうしようもない情況ですが、〝出版〟にとらわれない新しい発信方法も含めて考えていこうと思っています。神成さん、宮台さんと共に、今年は新しいことに挑戦しますので、よろしくおねがいします。

投稿者 編集者N : 2007年05月17日 11:50

ありがとうごいます。本書の編集担当です。ご存知の通り、出版はどうしようもない情況ですが、〝出版〟にとらわれない新しい発信方法も含めて考えていこうと思っています。神成さん、宮台さんと共に、今年は新しいことに挑戦しますので、よろしくおねがいします。

投稿者 編集者N : 2007年05月17日 10:47

ありがとうごいます。本書の編集担当です。ご存知の通り、出版はどうしようもない情況ですが、〝出版〟にとらわれない新しい発信方法も含めて考えていこうと思っています。神成さん、宮台さんと共に、今年は新しいことに挑戦しますので、よろしくおねがいします。

投稿者 編集者N : 2007年05月17日 10:47

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