私のポジションペーパー

2008年版

私は、2007年の目標を以下のように置いていた。
「私に関わっているすべての人の潜在能力が100%発揮されるために、必要なことをすべて実行すること。」
これは、普通に考えると1年で終わるような事ではないし、実際に終わっていない。

「終わっていない」とはどういう事だろうか?

まず去年は、「人の潜在能力が100%発揮されている」とは何なのかを、特に考えていなかったようだ。
だから、終わったのかどうか、どの程度実現ができたのか、いま、ふりかえって評価することができない。
2008年は、これを評価可能な状態にして取り組みたいと思う。

「人の潜在能力が100%発揮されている」こと自体が良いかどうかについては問わず、
まず評価基準を考えてみる。この目標に何らかの意味があったかどうかは、
評価結果が出ればより深く考えることができる。

「人の潜在能力が100%発揮されていない状態」をできるだけシンプルに定義するならどうなるか。
まず何もしない状態と、何かをしている状態があるだろう。
何もしないとは、何かをただ待ってぼーっとしている状態だ。
これはかなり正確に能力を発揮してないと言えそうだ。

次に何かをしている状態はどうか。必要なことをしてる時と、そうでない時がある。
必要ないことをしてる状態でも、これは後になって考えたらやっぱり必要だった、と言えるかもしれない。
ムダや失敗からうまれる発明も多いはずである。
また必要なことでも、それを限界速度よりも遅くやってる状態は、能力を発揮してないと言えるだろう。
ただし、これは実は待ってる状態の派生に近いのではないか。

このように考えると、自分のまわりの人が、自分や他人を待ってる時間を最小にすればよい、
という評価基準で、評価することが可能なのではないか。
まずは、これでいってみたい。

これはどこかで聞いたことがある・・トヨタ生産方式の要素である。

トヨタの待ち時間最短理論は、自動車ならではの平準化された販売が
基本システムとして必要なので、同じ考えはそのままでは通用しないだろう。
というわけで今年は、自分たちの業態に合った待ち時間の評価方法を考えて、
それを最小化することをやってみたい。
ビルドの待ち。欲しいドキュメントが見つからない待ち。
バグによるblocking。要望に対応する時間の長さとか、会議のやり方とか、
営業における提案活動のやり方とか、仕事の中に、待ち時間は山ほどある。
改善できることは山ほどありそうだ。


2007年度版

今年の目標は
「私に関わっているすべての人の潜在能力が100%発揮されるために、
必要なことをすべて実行すること。」

私に関わっている人たちというのは、もちろん、
会社のスタッフからはじまり、グループ会社の人々、
現在取引をしている会社の人々、さらには家族や友人
といった範囲までを含む。私はもちろん社会の中に生きているので、
最終的には世界のすべての人々と関係があるが、
世界のすべての人の潜在能力を100%発揮させるというステップの前に、
まずは近い人々から実現していこうと思う。

潜在能力の発揮を実現するため、具体的には
以下のようなことをしようと考えている。

* 権限委譲を進め、時間の余裕を作ること。
* 権限委譲する相手を探し、育てること。
* コーポレート・アイデンティティの確立。
* 中長期計画を立て、共有すること。
* 異業種への人脈づくり。
* 資金源の増強。
* 実際の価値と市場価値を合わせるための宣伝に力を入れること。

2007年もそれ以降も、私の行動の基盤は、
コミュニティーエンジンという組織である。
この組織にかかわる潜在能力を100%発揮させることが、
当面の課題となる。それは1年では終わらないだろう。
2007年は次の5年にむけての布石を打つ年となる。

最後に2006年のtodoをふりかえっておく。

+ gumonjiを完成形にする。
 →gumonjiの完成形とは?ということについて、考えが進んだ。
  1年の目標として「完成形にする」と言っていること自体に問題があった。
  1年で完成するはずがないことが判明した。現在は計画を立てなおし中。
+ galapagosの事業化
 →事業化自体について考えなおしている最中。
+ スローコンピューターの実現に向けて一歩を踏み出す。
 →ハードウェアの開発に向けて、一歩は踏み出した。
  具体的にハードウェアを2種類開発し、失敗も交えながら、
  マネジメント・ノウハウを得ることができた。
+ P2Pにおいて布石をうつ。
 →大きな布石を打つことができた。2008年には製品として結実する予定。
+ 自社の開発ミドルウェアを抜本的に強化する。
 →強化できた。Joel Testで全部Yesになり、やっとスタート地点に立てた。
  2007年はこれを売りまくる年となる。
+ 開発の速度とアイデアが出てくる速度を一致させられるように、組織を強化する。
 →アイデアが出てくる速度は、アイデアの質を上げて個数を少なくすべきと
  気づいたので、プロジェクト数を減らし、集中度を上げた。
+ 地に足のついた産業に広く取材し、人脈をひろげる。
 →2006年は、人脈の幅は大きく広がった。特にWeb業界には広がりつつある。
  ゲーム以外への展開は2007年さらに強化する。
+ 夏に、山小屋で「一人合宿」をする。
 →年末に合宿して、新種のwebサービスについてアイデアを練り、
  プロトタイプを作ることができた。

2006年度版

■最終的にやりたいこと

遊んでいるうちに賢くなってしまうような仮想世界を作ること。
さらに、仮想世界で生まれた知識を、現実世界で役立てること。
まずは教育・経済や環境などの問題に取り組みたい。
「仮想世界への窓」ということでハードウェアや
入出力インターフェイスにも手を出したい。

■2006年のTODO

+ gumonjiを完成形にする。
+ galapagosの事業化
+ スローコンピューターの実現に向けて一歩を踏み出す。
+ P2Pにおいて布石をうつ。
+ 自社の開発ミドルウェアを抜本的に強化する。
+ 開発の速度とアイデアが出てくる速度を一致させられるように、組織を強化する。
+ 地に足のついた産業に広く取材し、人脈をひろげる。
+ 夏に、山小屋で「一人合宿」をする。

■2010年にやっていることの予定

「ワールドシンセサイザー」のリリースを終える。
スローコンピューターの開発中。
モジュール式自動車の計画中。
ミドルウェア「VCE2」顧客100社。

2005年版

■最終的にやりたいこと

2030年までに、現実空間と区別がつかないような仮想空間を作り、
それを現実世界と混在させ、現実世界を相対的に見れるようにすること。
外国に行くと母国のことがよく理解できるが、
仮想空間と現実空間の間で同様に行き来すれば、
現実世界のことをより良く理解できるかもしれない。
たとえば、「なぜ人を殺してはいけないか」を知りたいならば、
仮想空間で暮らす仮想人間が、「殺したいと思ったらすぐ殺す」
という考えかたで動くように設定を変更すれば、そのような社会になったら
どうなるかを体験して学ぶことができる。
あるいは、仮想空間はログを記録しやすいので、大きな動きを確実にとらえ、
地球ではむずかしい大局的な考えかたを身につけやすくなり、
環境問題について考える人が増えるかもしれない。

2030年においては、仮想空間にいる人間はかならずしも
現実世界の人間のアバターである必要はなく、
仮想人間も混じっていても良い。仮想人間は目的を持っているし、
道具も作るし、ことばも話す。
現実の人間と混じりあうことで、純粋にコンピューターのみで可能な
レベルをはるかに越えたリアリティが実現できるかもしれない。
「人間の脳をシミュレートする」という考えから逃れて、
「自然環境の一部」として仮想人間の動きを考える方向で、
新しいことをやってみたい。
最終的には人間を理解したいだけのことである。

2030という数字は、直感的に、その時期には、
コンピューターネットワークの環境や、市場の様子が、
「ちょうどいい感じ」になっているだろうと感じるからである。
現在より1万倍速いチップと、1000倍速い通信回線。
70億人が完全に常時接続のネットを使っていて、
食料問題や環境問題がいまより悪化している。
などなど。。。


■近い将来にやりたいこと

2030年までの25年間で、5〜10個ぐらいのステップを踏みたい。

人間の活動範囲、活動速度から逸脱しすぎても学習効果は低いので、
人間の生活空間〜惑星ぐらいのスケールの範囲におもに興味がある。
したがってその範囲の物理現象をあたりまえに動かせるようなものを
2010年ごろにつくりたい。 仮想人間に至るのははるか後。
まずは着実にgumonjiで実績を積んでいく。


■いま、やっていること

2030年にむけての組織作り、実績作り、資金作り、考えの整理、新規エンジンの開発指揮。
コミュニティエンジンとしていくつかの企業から仮想空間の開発を受注している。
これを書いているのは2005年3月だが、2005年夏のgumonjiリリースで、
あたらしい一歩を踏みだすために準備作業をしている。

これまではgumonjiのサーバープログラミングなどを実際にやっていたが、
将来実現したいことを最短の時間で実現するためには、自分がプログラミングをせずに、
議論したり、ドキュメントを書いたり、リーダーの担当になったほうがいいと判断した。
プログラミング作業も、ドキュメントを書くことも、実現したいことをより簡潔に書く
という点で同じだということにも気付いた。
現在、自分に足りないと感じるのはリーダーの技術と、
現実世界を支配する人間のしくみについての知識であり、
それがちゃんと身につくには2年ぐらいは必要だと感じる。

2003-4年版

以下は、2004年までのバージョン。

こうなったらいいな

現実世界の面白くてためになるところだけをうまく取りだして仮想空間を作ったら、 きっと面白いに違いない。 最終的にはその世界に神経接続して、火星にいったらどうなるのか体験したり、 女になったらどういう風に見えるのか知ったり、地獄を一日体験したり、 してみたい。 そのためにやらんといかんことが大量にある。

過去にやったこと

中学のとき、月刊ログインの「サイバースペースRPG」という記事を読んで以来、 仮想空間作りにあこがれ、それ一辺倒の勉強をしてきた。 まず理想の仮想空間作りにはゲームプログラミングが必須だとわかったのでそれで 5年以上を費やし、次にはネットワーク技術を勉強するために5年を費やし、 現在に至る。現在開発中の作品を通して、 物理化学や経済の系の数学的分析のための体系的な勉強と、 組織のマネジメント能力が理想の仮想空間の実現には必須だと感じ、 次の5年の課題を知る。

2000年、スクウェアエニックス社の出資で、 「コミュニティエンジン株式会社」を設立し、 これまでにMMOG開発ツール"VCE"を開発し、数社に売りこんだ。 この開発ツールはもちろん自分で将来使うためのものである。

現在やってること

オンライン箱庭自然シミュレーター「gumonji」を作り 無料ベータテストを開始した。(いまは正式サービス中) バグも多く数学的分析もあまり進んでいないが、 現在、良くなっていっている最中である。 通常のゲーム内決済貨幣と、PICSYを共存させて何が起こるかを見る という文脈においてPICSY鈴木氏と共同作業中。 PICSYの効果で、ほかよりも生産性の高い仮想空間を実現できたらいいな。

近い将来やりたいこと

gumonji の次には、「プレイしないオンラインゲーム(仮想空間)」 を作りたい。現在のオンラインゲームと同等以上の面白さを実現しながら、 まったくプレイしなくても楽しめるようにしてプレイヤーの層を広げるというのが、 そのねらい。

問題認識

日ごろこんなことを考えています。


Kengo Nakajima
Last modified: Thu Jan 25 08:19:48 JST 2007